私たちが飼っている猫の祖先というのは、野生のヤマネコが家畜化したものだということがわかっています。猫が人間と暮らすようになったのは約5,000年も前の古代エジプトの頃からだそうです。
昔から猫は私たちにとって身近な生き物だったようです。猫の可愛さに昔の人たちも魅了されていたということですね。そんな可愛い愛猫のロシアンブルーが最近よだれを垂らしているなんとことはありませんか?
ロシアンブル-はよだれをあまり垂らすことのない生き物です。もし、よだれを突然垂らすようになったとしたら、何らかの病気のサインかもしれません。よだれを垂らす原因となる病気の一つに重症筋無力症があります。今回はよだれと重症筋無力症の関係について紹介させていただきます。
重症筋無力症について
重症筋無力症というのは人間でもかかることのある病気で、神経から筋肉への信号がうまく伝わらないために、骨格筋を収縮させることができなくなってしまう病気です。
筋肉を動かすためには、神経の先端から筋肉の表面に様々な物質が分泌され、神経から筋肉に信号を伝える必要があります。しかし、重症筋無力症になると神経から分泌された物質を筋肉側がうまく受信できず、筋肉の収縮が起こりにくくなります。
ほとんどの場合、脳からの指令を神経から筋肉へ伝える役割を持っているアセチルコリンが、筋膜側にある脳からの指令を受け取るアセチルコリン受容体に届かないことが原因となっています。
ロシアンブル-が重症筋無力症である場合の原因
ロシアンブル-が重症筋無力症になる原因はほとんどが遺伝であるといわれています。重症筋無力症は遺伝性疾患といわれており、生まれた時に先天的にアセチルコリン受容体が欠損していたり、数が通常より少ないと筋肉に神経からの伝達がうまくいかず、重症筋無力症になる場合があります。
先天的な場合は1歳未満で発症することが多く、一度発症してしまうと完治することはありません。先天的な重症筋無力症はアビシニアンやソマリに多くみられるようです。
重症筋無力症は後天的に発症する場合もあり、アセチルコリン受容体の動きを妨げる抗体が体内で作られてしまい、アセチルコリン受容体を攻撃して壊してしまうことが原因です。
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何故そういった抗体が作られてしまうのかということはいまだに解明されていませんが、理由としては骨肉腫などの腫瘍が原因で作られるということが有力視されています。
ロシアンブル-の重症筋無力症の症状
重症筋無力症を発症すると筋力が低下してしまう、運動をするとすぐに疲れるようになってしまいます。症状が軽い場合は休憩をしたら運動を再開することができるようになりますが、すぐにまた疲れてしまいます。重症筋無力症の主な症状としては以下のようなものがあります。
- 運動をするとすぐに疲れる
- 休憩をすれば回復する
- 歩行困難
- よだれを垂らす
- 嚥下困難
- 嘔吐
- 食事のスピードが極端に落ちる
これらの症状以外にも、瞼が重くなったり、常に疲れている場合もあります。重症筋無力症が原因で巨大食道症を引き起こすこともあります。
ロシアンブル-が重症筋無力症の場合の治療方法
重症筋無力症は完治する可能性は低いですが、多くの場合は投薬治療を行い、症状の緩和を行います。ステロイド剤などを投与し、免疫システムの働きを抑え、アセチルコリン受容体が破壊されるのを防ぐという治療法がとられます。
巨大食道症を引き起こしている場合には、誤嚥性肺炎などを引き起こさないように食器を高い場所に置き、食後10分程度は頭が下がらないように対策をしてあげるのも大切です。
重症筋無力症の検査方法
愛猫が重症筋無力症になっているかどうかは、血液検査をすることで確認することができます。血液検査でアセチルコリン受容体の抗体を検出することで診断します。
また、テンシロン試験という重症筋無力症の診断に用いられる検査も併用して行われることも多いです。テンシロン試験というのは、神経と筋肉との間に刺激の伝達を改善させる薬剤を静脈注射して、全身の症状が改善されるかを確認する検査です。
まとめ
重症筋無力症というのは多くの場合は遺伝性疾患で、発症すると完治することはほとんどなく、生涯にわたって投薬治療や運動・食事の制限をしなけれいけません。重症筋無力症はアビシニアンやソマリが発症しやすいとされているので、覚えておくようにしましょう。
愛猫のロシアンブルーがよだれを垂らしている場合は重症筋無力症である可能性があります。重症筋無力症は後天的に発症することもありますので、突然よだれを垂らすようになったら早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
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